溺愛宣誓

「え。えっ…行くって何処に?」

「今すぐにでも俺の家!!!………………………じゃなく。美味しい物でも食べに行こう。お腹空いただろ、華ノ子。」


い、いきなり呼び捨て!?

初めて男の人に呼ばれた名前は想像以上に甘くてこそばゆくて顔が熱くなる。

そ、それに、手っ…手が……!

私の手をすっぽり包む手の感覚に私の心臓は釣られたての魚くらい激しく跳ねまわり、動悸息切れ、あぁ…目の前がクラクラしてきた。

でも決して振りほどきたいとは思えなくて……。


「てかイケメン、下心全然隠れてないし!」

「寧ろX線で骨格見るよりスッケスケだ!」

「「そして彼女、色々な意味で大丈夫かよっ!?」」というナンパさん達の声をまるで激励のように聞き流しながらふわふわと歩き出した。






人生初めての彼氏に手を引かれて。







****【とある告白記念日*end】
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