サザナミ少年少女探偵団Ⅰ
「?」
何処からか音楽が聞こえてきた。
「ああ、これは季希のクラスメイトのお姉さんが『道化師』名義で作詞作曲した歌でね。『ゆめうた』って歌なんだ。短い歌だけど最近動画サイトで人気が出てるの!
まだCD化されてないから、音だけ録ってアラーム音が設定できる時計にセットしてたんだ」
鼓が自分のことのように嬉しそうに説明する。
「へー!季希ちゃん、ちゃんとクラスメイトに興味持ってたんだ!」
「そこかよ!……あとボクのことは季希で良いから!」
音がした方を見ると、確かにからくり時計の針が四時を指していた。
「あー、もうこんな時間かぁ……
引越しの荷物まだ整理出来てないから帰らなきゃな〜」
「……もう帰るのか」
「そっか~、引っ越してきたばっかりだもんね。もうちょっと話したかったけどしょうがないね」
最後に一つクッキーを口に入れ、ランドセルを右肩にだけ背負って席を立つ。
「お邪魔しました~」
「……また来ても良いから」
「!!」
驚いた。
本当に、つい数時間前まで部屋に篭ってた人間の言葉とは思えない。
良い方向に変われたようだ。良かった。