サザナミ少年少女探偵団Ⅰ
「あ、春亜ちゃん、門まで送ってくよ」
「それならボクが行く」
「季希はダメ!部屋から出たばっかなんだから、いきなり外出たら体悪くしちゃうよ!」
「えー?鼓さん、大丈夫ですよ!すぐ隣だし」
「いや、ちょっとね……」
「?」
どうやら、二人だけで話があるらしい。
玄関を出て正面にある門まで、春亜は鼓と歩く。
「春亜ちゃん、今日はありがとう!ごめんね。いきなり上がらせちゃって」
「いえ、お役に立てたみたいで良かったです!」
「そこで、お願いなんだけど……」
鼓の表情がまた少し曇り、数秒間を空けたあと決心したように口を開いた。