桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
雨に打たれる桜を水滴のついた
窓越しに見た。


目線の先には、
唯一残った桜の花が一つあった。


雨に打たれて
今にも散ってしまいそうな。

でも、
凛としているような。


「...日和みたいだ……」


思わず口にした言葉。

『桜ってね...』


澄んだ声が頭の中で聞こえた。

『綺麗だねぇ...』


『凛とした美しい姿を見せて、
跡形もなく
はかなく散っていくの。』


澄んだ声が、
気持ちを落ち着かせた。









そうだ。
こんな時だから、落ちつかないと。

日和が起きた時に、
安心してもらおう。
日和から、話を聞こう。

俺には何ができる?



飛鳥は、もう動き出してるんだ。






何でか、
心が落ち着いた。

どこか、しっくりくる感じ。


自分ができることを、
精いっぱい。

そう思いながら動き出した

卓也side end
< 143 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop