桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
切り刻まれたままの服が
より一層記憶を生々しく蘇らせる
上に着た宏明のジャンパーだけが
ここが襲われる場所ではないと示すもの。
前を開ければ無残な姿が露出される。
みんなの声、行動、動き
全てに勝手に過剰に反応する身体。
その度にみんなが浮かべるあの表情。
自分を責めているかのような
悔しそうな、悲しそうな、あの表情
助けてくれたのに
救い出してくれたのに
どうして私は
そんな顔をさせることしか出来ないの
いつも演じてることなのに
いつも通り演じればいいだけなのに
未だに震えの止まらない体も
勝手に反応してしまう体も
恐怖に囚われてしまったかのような思考も
「大嫌いだ……っ」
こんな自分。