桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)



舌打ちが降ってきて、
ギュウッと手を握った。



怒られる…?


「…いつもいつもお兄ちゃんの邪魔しないの!!
お兄ちゃんも宿題やっちゃいなさい」

「はい」

「ごめんなさいおかーさん」



二人揃って返事をすると、
お母さんはキッチンに戻っていった。



「…ごめんな、日和」

眉を下げてポン、と頭に手を乗せてくれるお兄ちゃんを振り向いて
ニコッと笑った

「ううん、ひよりがおはなしきいてもらうのおねがいしたからなの
ごめんなさい」

顔がくしゃっとなって
ほんの一瞬苦しそうになったお兄ちゃんは
もう1回ポンと頭を叩いて
ランドセルとノート達を持って二階の自分の部屋に
歩いていった。







見送ってから、ほぅと息をつく。



よかった、おこられなかった…!


































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