溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~

ブラウさんにエスコートされながら、ライトアップされたプールの前を通り過ぎる。

既に第一部で食事を終えた人たちがちらほらとライトアップを見に外に出ていた。

ジャズ演奏は終わり、船の顔とも言われているセントラムでは、白いヴァイオリンとピアノの生演奏が始まっていた。
甘いヴァイオリンの音色は、私の胸のときめきを静かに熱く燃えあがらせていく。

夜の淡い光が全身に灯る、セントラムの前。


そこに、白の制服姿で真っ直ぐに此方を向いているジェイドさんが浮かび上がっていた。

真っ直ぐ、熱い視線で私を見ている。
いつもの様な、甘いじゃれあいはない。

言葉なんていらないと、彼の目が熱く言っていた。

ブラウさんは何も言わず、エスコートしていた手を離すと深々とお辞儀をして去って行った。

残された私は、ジェイドさんの数メートル手前で息をするのも忘れて彼を見る。

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