溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
制服姿の彼は、部屋で見せるちょっぴり甘え上手で私を虜にさせる笑顔も言葉もない。
凛々しく背筋を伸ばして私を見ている。
その姿に泣きたくなるような、甘い衝動が込み上げてきた。
今すぐ、抱きつきたくなる。
そんな衝動に駆られた私に、彼は吐息を吐き出すように言った。
「――綺麗だ、ナホ」
飾らない言葉で、シンプルに私の心にぶつけてくる。
「似合っていて、驚いて声を失ってしまった。キミはなんて綺麗なんだろう」
「ありがとうございます」
「迎えに行こうとしたが、ケイリーが此処にナホを連れてくると言うので此処で待っていたが――彼は正しい。此処でキミに会えて良かった」
彼はゆっくり跪き私の腕を取る。
ヒスイ色の婚約指輪がはめられた薬指に口づけると、優しく微笑んだ。
「俺は今、初めて恋をした少年の様だ。キミに伝えたい言葉がありすぎて、何一つ伝えきれない」