溺愛クルーズ~偽フィアンセは英国紳士!?~
白い箱を開けて、中身を確認してみると、確かに同じデザインのハイヒールだった。
(あ……)
「美山様、これで御間違えないでしょうか?」
「履いてみてください」
慌てている二人には、その違和感が分からなかったようだった。
だから私は、上手に笑って履いてみせる。
「完璧です! ありがとうございます」
思わずスキップしてしまいそうな私に、二人もホッと胸を撫で下ろす。
私も、その小さな違和感に気付きながらも実感が無いのでするーしてしまう事にした。
「さあ、ジェイドさんがお待ちですよ」
「髪の毛の装飾とかも、それでいいですか? 俺でよければ仕上げしますよ」
走りまわったので髪形も化粧もきっと酷かったのだろう。
ブラウさんが簡単にワックスで前髪を流してくれて、髪をクシャッと軽く空気を入れてふんわりと広げてくれた。
「うん。最高に綺麗です」
「ありがとうございます」
「言われたいのは、俺ではないのに、失礼しました」
ふふっと笑うとブラウさんは腕を差し出してきた。
「ジェイドさんの所までエスコートしますよ」
そう言われたら、私もそう腕に手を絡めて歩き出すしか選択肢は浮かばなかった。
例え、足に違和感を感じても。