大阪セカンドシンデレラ
ゆかちゃんの店を出て、すぐ目の前の通天閣を見上げる。
そう言えば…。
『あべのハルカスがナンバーワンなら、通天閣はオンリーワンかなって。』
オンリーワン、か…。
女子高生絶賛エンジョイ中の私だって恋をした事はある。
中学の時は1つ上の先輩と付き合った。
付き合ったと言っても手を繋いだ程度だったが…。
通天閣の先に見えるあべのハルカスを見つめる。
いずれ私は誰かのオンリーワンになれるのだろうか?
ナンバーワンとオンリーワン。
どっちが素敵なのだろうか?
橋上さんとまた会えたらいいな。
「ひやっ。」
ぼんやりと突っ立っていたら、いきなり後ろから軽く水を掛けられた。
振り返ると、ゆかちゃんが怖い顔をして立っている。
「そこに立たれてたら営業妨害や。恋の病はヨソで治してや。」
「だから、恋じゃないって!」