純情喫茶―恋する喫茶店―
――3人で一緒に暮らそう

――3人で一緒に店を経営しよう

母親と3人で喫茶店をやって行くことを誓いあった。

それから迎えた翌朝のことである。

開店準備のため、笙は店の掃除をしていた。

腕時計に視線を向けると、後少しで9時になろうとしていた。

何度もあくびをしながらほうきで床を掃いていると、バタバタとパジャマ姿の玲奈が駆け込んできた。

「どうしたの?」

笙はまばたきをしながら聞いた。

寝癖のついた髪のまま、玲奈が言った。

「――お母さんが…お母さんが、いなくなった…」

そう言った玲奈に、笙の手からほうきが離れた。

「――ウソだろ…?」

呟くように聞いた笙に、玲奈は目をそらすようにうつむいた。
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