純情喫茶―恋する喫茶店―

理由―笙―

笙は夜道を1人で歩いていた。

朝からずっと探し回っていたため、足がズキズキと痛み出していた。

思うように動かない足を引きずりながら、笙は歩いていた。

「――どこ行ったんだよ…」

ため息が出てきそうになったその時だった。

「おい」

後ろから誰かに呼ばれたので、笙は振り返った。

振り返ったとたん、頬に衝撃が走った。

――ドサッ…!

笙は地面に倒れた。

たった今自分の身に何が起こったのか、よくわからなかった。

そう思っていたら、目の前に自分以外の足があることに気づいた。
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