純情喫茶―恋する喫茶店―
笙は玲奈の顔を覗き込むと、唇を開いた。

「売り上げを伸ばしながら、少しずつ返済して行けばいい。

たとえそれが何年かかっても、2人3脚で頑張って行けばいい」

そう言った笙の言葉に、
「…そうだね、笙の言う通りだよ」

玲奈は微笑むと、彼の手に自分の手を重ねた。

「頑張ろうよ、姉さん。

借金返して、母さんと一緒に暮らそう!」

宣言するように言った笙に、玲奈は笑って大きく首を縦に振ってうなずいた。

少しずつでもいい。

とにかく、今は頑張ろう。

2人はお互いを励ましあうように言った。
< 95 / 117 >

この作品をシェア

pagetop