純情喫茶―恋する喫茶店―
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商売ご協力

借金を返そう――夜遅くまで2人で話しあい、日が昇り始めた頃にようやく出した結論だった。

「でも今の状況じゃ無理だな」

帳簿を開いた笙は呟くように言った後、息を吐いた。

「そっかー…」

玲奈の口からも息がこぼれ落ちた。

開店してから1ヶ月と少し過ぎても、売り上げはままならない。

「けどさ」

パタンと、笙は開いていた帳簿を閉じた。

「いきなりは、無理かも知れない」

そう言った笙に、玲奈は訳がわからないと言うように目をパチパチさせた。
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