夫婦の定義──君が僕のすべて──
しばらく黙ってカクテルを飲んでいたユウが、静かにレナに尋ねた。

「レナ、さっき一人で泣いてた。またオレに黙ってどこかへ行こうと思ったの?」

レナがためらいがちにうなずくと、ユウはレナの顔をじっと見つめた。

「なんで?」

レナは何かを言おうとしたが、うまく伝えられなくて困った顔をしている。

「すみません、何か書くもの…紙とペンを貸してもらえますか?」

ユウはバーのマスターに紙とペンを借りて、レナに手渡した。

それを受け取ったレナは、少し考えて、何かを書き込む。

“消えてしまえたらいいのにって思ったの”

「なんで?」

“私なんかといても、ユウは幸せになれない”

ユウは小さくため息をつく。

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