タイガーハート
また頭に少し鈍い痛みを感じる。
すると、その痛みを吹き飛ばすように背中に何かがぶつかる衝撃が走る。
どんっ!!
「っ!!!」
前のめりになる体を、細い腕が支えた。
俺の腰に回された手には、マイクが握られている。
『まっ、て!!!!』
その声は焦ったように続ける。
『…っ待って待って待って待って!!』
「ちょ!伏見!?」
後ろから伏見に、抱きつかれているような状態。
皆の視線が注目する。
注目どころではない。
大注目だ。