俺様御曹司の悩殺プロポーズ
それだけ……?
一言も褒めてくれないの……?
お褒めの言葉を期待していた分、がっかりしてしまった。
佐川アナとは、あんなに楽しげに話していたのに、
私には何も言ってくれないのか……。
遠ざかるルックス抜群のスーツの背中を、恨めしげに見つめてしまった。
何だろう……胸がモヤモヤする。
私は風原さんに、褒めてもらいたいのだろうか?
いや、違う……。
違うと思いたい。
そんなつもりで、仕事しているわけじゃないんだから……。
退社したのは、午後1時のこと。
アナウンサーも基本は週休2日の8時間勤務なので、早出の人は退社時間も早くなる。
今日は風原さんと帰りの時間が重ならず、一人で電車に乗り帰って来た。
局から家賃5万で貸し与えられたこの部屋は、家具付きの1LDK。
きっと、分譲用の上階の部屋とは、比較にもならないと思うけど、
私なんぞの田舎者にはもったいないほど、都会的でスタイリッシュな内装の部屋だった。