俺様御曹司の悩殺プロポーズ
残っているお弁当はもったいないので持ち帰ることにして、
置いてあった紙袋に入れてみた。
風原さんの私物であろうタオルケットを綺麗に畳んで小脇に抱え、
控え室を出る。
足取り軽く、階段を下りて報道フロアに戻ってくると、
アナウンス部のデスクにつく前に、ホワイトボードに目が止まり、立ち止まった。
そのボードは、アナウンサーの出勤簿のようなもの。
私の名前の横の欄には、『早出』と私の字で書いてあり、
更にその横には、『打ち合わせのため一時間外勤』と、誰かの字で書かれていた。
誰が書いたのかと考える必要もなく、風原さんが書いてくれたのだと理解する。
アナウンサーはそれぞれ個別のスケジュールで動いているから、
私が一時間いないからと言って、気にする人はいなそうな気もするけど……。
サボっていると思われないよう、念のために書いてくれたのだろう。