俺様御曹司の悩殺プロポーズ
教科書を指で弾いた風原さんは、仕方ないという顔して、今日のレッスンを終わりにしてくれた。
彼の気が変わらない内にさぁ帰ろと、玄関に向かう私。
その背中に、こんな甘い誘惑が。
「今日、番宣で来た女優にもらった差し入れがあるぞ。
梅坪屋の限定エクレアと言っていたが……」
「いただきます!」
玄関に向けていた足をピタリと止め、回れ右して俊敏にリビングに戻ると、
クスリと笑われた。
風原さんは冷蔵庫へエクレアを取りに行き、
私は「座ってろ」と言われて、ソファーに腰を下ろしてそれを待つ。
いつも思うけど、広いリビングだ。
開口の広い南向きの窓から、都会のきらびやかな夜景が見えて綺麗だった。
家具は少なく、
大きなテレビに、革製の黒いシンプルモダンなソファーと、硝子のローテブル。
ソファーの座り心地は抜群で、
「私もこんなの欲しい」と何気なく言ったことがあったが、
車一台買える額を言われて驚いた。