俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


「エクレアにビールですか……?」


絶対に合わないと思って、そう聞くと、


「俺は食わない。甘い物は苦手だ」


そう言われた。



私にはペットボトルのお茶を出してくれた彼。


甘い物が苦手で、食べないのは別にいいけど、

それなら何で持って帰ってきたのだろうと、不思議に思った。



箱にしっかり『風原涼様へ』と書いてあるが、

スタッフさんに、あげればよかったのにと思う。



不思議そうな目で隣を見る私に、彼はこんな説明をしてくれた。



「お前が食べたいんじゃないかと思って、もらってきた」



私のため……?


意外な台詞を口にして、ビールを飲む端正な横顔に、

自分の胸からキュンという音が聞こえてきて、慌ててしまった。



ダメだよ私!

これはきっとアレ……そう、アレだから!



ほら、子供の頃もよくあったじゃない。


うちのじぃちゃんが、「小春に食べさせたいから」と言って、

敬老会のオヤツを食べずに持って帰ってきたことが。



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