俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


うーん、考えてみたら私って、風原さんのことを全然知らないや。



知らないことだらけだけど、それでいいのかもしれない。



意地悪な彼が時々見せる優しさに、最近の私は過剰反応してドキドキしてしまう。



彼の全てを知ってしまうと、自分の気持ちが引き返せない深みにはまってしまいそうで、怖い……。


だから、わからないくらいがちょうどいい。



グラスの中の氷は小さくなり、オレンジ色が薄くなっていた。



聞いていない私に向けて、花ちゃんは楽しそうに喋っている。



「というわけなのよぉ。

あたしがトイレで盗撮したのをキッカケに、涼ちゃんは裏の顔を見せてくれたの。ウフフ。

どう? あたしも頑張ったでしょ?」



「ん? トイレで盗撮……?」




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