俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「良行(ヨシユキ)、俺を怒らせたいのか?」
「痛いな〜。定休日に店開けさせて、それかい?
ちょっとふざけただけなのに、怒るなよ。
涼の所持品を、僕が奪うわけないだろ?」
「定休日にも稼げることに感謝しろ。
こいつに関してふざけるのは許さない。からかって遊んでいいのは俺だけ。わかったか?」
「はい、はい。
涼は昔から変わらず、ワガママな奴だよな〜」
ただの客とコックの会話に聞こえず、会話の中に引っ掛かるポイントもたくさんあったけど……
突っ込んでいられる状況じゃなかった。
私の体はまだ、風原さんの腕の中。
イケメンに後ろから抱きしめられるという、女子憧れのシチュエーション真っ只中にいるのだ。
ドキドキをごまかすなんて、もはや不可能。
風原さんの体温と息遣いを至近距離に感じて、
心臓が過労死しそうなほどに働かされていた。
最近の私はかなりヤバイのに、こんな状況は危険すぎる。
この腕を早く離してくれないと、
望みのない恋に足を踏み入れてしまいそうで、怖いよ……。