俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


立花さんの話の後半、「そんな涼が女の子を連れて……」以降は、聞いていなかった。



まだ頭の中は、二人の過去の物語に浸っていた。



少年の友情って、なんて素敵……。


それに、風原さんがそんなに正義感のある熱い男だったなんて……。


感動の波の中で、私はオイオイと泣いていた。



私って昔から、人情物の話に弱い。


寅さんの『男はつらいよ』を家族みんなが笑って見ている中、

「寅さーん!行かないでー!」と、私だけ大泣きしちゃうくらいに弱い。



「そんなに、泣ける話でもないと思うけど……」



立花さんは戸惑いながら、
「涙拭いてよ」と、白い布を渡してくれた。



「あ゙り゙がどゔ、ごばびばず……」



貸してもらった布で涙を拭いて、ついでに鼻水をスビッとかんでしまったけど……いいよね?


これって、ハンカチじゃなく、使い古したテーブル布巾みたいだし。



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