俺様御曹司の悩殺プロポーズ
――……
「涼のお陰で汚名をはらせたんだよ。
嬉しかった……あの時は、涙が止まらなかったよ……」
二人の昔話を語り終えた立花さんは、懐かしそうな目をして遠くを見ていた。
カップに残っていたハーブティーを飲み干し、それからこう付け加えた。
「僕の事件に涼を巻き込んだことは、涼にとって良いことでも悪いことでもあった。
あの事件があったから、涼はアナウンサーという職業を選んだ。
親と同じ官僚よりも、こっちの道の方が似合っているから、それは良かったと思う。
でも、人間不信になっちゃったのは、まずかったよなぁ……。
中学、高校、大学、それ以降も友達を作らず、誰にも心を開かない。
上辺だけの付き合いだけ、上手な人間になっちゃった。
そんな涼が女の子連れで、素顔のまま、僕の店に来るんだもの、
今日は驚いて嬉しく思ったよ。
日野小春さん、涼をよろしく。
アイツが素顔を見せた女の子って、君が初めてだからさ……」