俺様御曹司の悩殺プロポーズ
どうしてこんな長い名前にしたのかなど、お店の人にインタビューして、VTRは終わる。
画面は再びスタジオの私に戻り、
後はこのコーナーを締めくくれば、私の役目はおしまいだった。
良かった。
かき氷の長い名前も、噛まずに言うことができた。
初回は無事に終われそう……。
そう思った時、スタッフさんがカメラの横でカンペを出しているのに気付いた。
カンペには『お店の名前、言って!』と書かれていた。
あ、しまった。
VTR中にテロップでお店の名前は表示されたけど、読み上げるのを忘れていた。
じゃあ、お店の名前を言ってから締めくくることに……。
そうしようとしたが、頭の中に浮かぶのは店名ではなく、クエスチョンマークだけ。
あれ……
さっきまで覚えていたはずなのに、お店の名前、何だっけ……?
過ぎたことは忘れるタイプの、マヌケな私。
使用済の情報も、頭の中から順番に消えていく。
シメの台詞を言ったらおしまいだとホッとした瞬間に、
頑張って暗記した長〜いかき氷の名前も、店名も、
記憶から自動消去されていた。