俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


「暑い夏はやっぱりかき氷ですよね。

美味しくてユニークな、かき氷屋さん……かき氷屋さん……の名前は……えーと……」



お店の名前よ、お願いだから出てきておくれ。

かき氷みたいに、長い名前だっけ?


どうしよう……全く思い出せない!!



暗唱は完璧だと思っていたから、油断して手元に原稿がない。


私の原稿はスタジオの片隅に置いてあり、フレームアウトして取りに行くわけにもいかない。



せっかく順調だったのに、最後の最後でやってしまった私。


どうしよう!と心は慌てるばかりで、頭の中が真っ白になりかけた。



その時、

スタジオに、かき氷より爽やかな声が響いた。



「今日も30度を超える予報ですから、涼みに行きたくなりますね。

後藤さんは、かき氷、お好きですか?」



突然話し出したのは、風原さん。

スタジオコメンテーターに、かき氷の話題を振っていた。



こんなの、予定にない。


コメンテーターの元プロ野球選手の後藤さんは、「ん?」という顔をしてから、話を合わせていた。



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