俺様御曹司の悩殺プロポーズ
二日前、出社して自分のデスクに向かうと、
机の真ん中に赤い文字で『目障り』と書かれていた。
その文字はペンではなく、口紅で書かれた文字だとすぐに気づく。
ご丁寧に文字の横に、口紅が置いてあったから。
その口紅はブランド物で、『プレミアムメルティングルージュ』と、商品名が英語で書かれていた。
その名前は、記憶に新しかった。
数日前、花ちゃんに、
「プレミアムメルティングルージュって、伸びがいいのに落ち難いし、発色もいいのよ。
新しい口紅買うなら、お勧めしちゃう。佐川さんも愛用してるのよ〜うふふ」
そう言われたばかりだったから。
ある日の帰りには、更衣室のロッカーのカギが壊されていた。
恐る恐るロッカーを開けてみると……
私の私服が何かで、ズタズタに切り裂かれていた。
呆然としていたら、背後でロッカーの扉が閉まる音が聞こえた。
それは、数列後ろのロッカーからの音で、
コツコツと足音を響かせ私の横の通路を通り、更衣室を出て行ったのは、佐川亜梨沙だった。