俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「え……ええっ!?
ここ、ソメイヨシノで間違いないですよね?
こっちに変更になったとメールがきたんですけど!」
カウンターに身を乗り出し、噛み付くように聞く私に、美人さんは困り顔。
慌ててメールをくれた林プロデューサーに電話をかけると、
「もしもーし、林でーす」と呑気な声が、スマホの向こうから聞こえてきた。
「林さん、日野です!
今日の収録、ソメイヨシノに変更になったんですよね?」
「はぁ?何それ?予定通り八重桜スタジオだよ。
浜本さんまだ来てないけど、出演タレントさん達はちらほらスタジオ入りしてるからー」
「えええっ!?
じゃあ、さっきの林さんからのメールって……」
「メール?俺は送ってないよ?
日野さん、頭大丈夫?
何でもいいけど、遅刻しないでねー。
13時30分までに必ず来てよー。
ウンダウンタの浜本さんを怒らせたら、俺も怒るからー。んじゃ」
プツリと通話の切られたスマホを耳に当てたまま、青ざめて固まっていた。
これって、まさか……
例の嫌がらせの一つということなの……?
ヤラレタと気付いたところで、怒っている暇も悔しがっている暇もなかった。