俺様御曹司の悩殺プロポーズ
自分の机で、次回のスイーツ探偵の資料作りをしつつも、
鈍よりと落ち込みMAXの私。
集中できずに手が止まり、キーボードに深い溜め息を落としていた。
「大きな溜め息ね。どうしたの?
いつも元気な日野さんらしくない」
ふいに、後ろに声がした。
「あ、中村さん……おはようございます」
時刻は10時。
お昼からの生放送『ひるリッチ』に出演するため、中村アナが今出勤してきたところだった。
「何かあったの?」
そう聞いてくれる優しい彼女に、首を小さく横に振り、
「何もないです」と答えた。
これは私の問題で、中村アナに心配も迷惑もかけたくなかった。
全面的に私が悪いのだから、慰められる資格もない。
無理してぎこちない笑みを浮かべる私をジッと見て、中村アナはこう言った。
「そう。何もないのね。
失敗でもして、怒られたのかと思ったわ」
その言葉は、私を心配してくれる善意のもの。
そうだと思っているのに……
なぜか、半袖から出る二の腕に鳥肌が立った。