俺様御曹司の悩殺プロポーズ
 


風原さんはテーブル上のノートパソコンを中村アナの方に向け、

「ご覧下さい」と言った。



私も画面の方に回って、中村アナと一緒にそれを見た。



画面には、偽メールが届いた日のひるリッチの放送が流れていた。



視聴者用ではなく、局に保存されている映像なので、

番組が始まる直前の、CM中のスタジオの様子から映っていた。



スタッフさんのカウントダウンの声がして、

オープニング曲が流れ、司会の男性タレントがカメラに向けて話し始めた。


その隣で上品な笑顔を浮かべて立っているのは、中村アナで、

特に変わった様子もなく、番組はスムーズに進行していた。



風原さんが私達に何を見せたいのかわからず、首を傾げる。



「あの、風原さん。普通に番組が流れていますけど、これがどうしたのですか……?」



風原さんは、画面を覗く私達の後ろに回った。


不思議に思ってそう聞いた私に、画面を指差しこう言った。



「もう少し先だ。あと5秒……ここ」



「ここ」と言って、彼は画面を止めた。


局の保存用映像なので、画面の右下にはオンエアされない時間表示がついている。



『12:01:06』

その時刻で止められた画面の端に中村アナがいて、

彼女の右手はタイトスカートのポケットに入れられていた。



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