俺様御曹司の悩殺プロポーズ
それについて、ちょっぴり妬いてしまった私。
「お見舞いに行かないで」とは言えなかったけど……。
廊下で立ち話をしていたが、彼女がスタジオに向け再び歩き出したので、私も隣を歩いた。
そう言えば、いつの間にか佐川さんに無視されることがなくなった。
話しかけても迷惑そうな顔をしないで、答えてくれる。
それはもしや、佐川さんが私を認めてくれたということだろうか?
少しは進歩して、“実力のないただのラッキーガール”と思われなくなったから?
朝採りニュースの代役は佐川さんが倒れた日だけじゃなく、入院中の一週間、全て私がやった。
二回目からはきちんと下読みする時間があり、心の準備もできていたから、上手く代役を務められたと思う。
佐川さんと並んで歩きながら、自分の成長について考えていると、スタジオの前に着いていた。
そこで、「あ、間違えた」と呟いた。
今日から佐川さんが復帰したので、私がスタジオに入る必要はない。
始まる前のこの時間、まっすぐにお天気コーナーの外中継場所に行けばいいのだった。