俺様御曹司の悩殺プロポーズ
その夜、7時……。
やっと帰ってきた風原さんと、向かいあって夕食をとる。
今夜のメニューは、ハッシュドビーフ。
市販のルーを使って作ったので、間違いなく美味しいはず。
それなのに風原さんは、眉間にシワを寄せて浮かない顔。
「あの……美味しくないですか?」
そう尋ねた私に、
「ん?ああ、美味いよ。
悪い、考えごとをしていた」
そんな答えが返ってきた。
何の考えごとなのかとっても気になるけど、風原さんはそれ以上何も言ってくれず、黙々とスプーンを口に運ぶだけ。
突っ込んで聞いていい、雰囲気ではなかった。
いつもと違って会話の少ない夕食が済み、キッチンを片付けてから、風原さんの側に寄った。
ソファーに座って長い足を組み、リモコンを手にしている彼。
テレビはついているけれど、見ていない。
テレビの光が映るローテーブルの天板に視線を止めて、まだ何かを考えているようだ。