俺様御曹司の悩殺プロポーズ
声をかけていいのか少し迷ってから、おずおずと言う。
「今日の個人レッスンは、ニュース読みの練習をしたいのですが……」
40点と佐川さんに言われたから、もっともっと練習して、上手くなりたかった。
そう思って言った私の言葉に対しても、なぜか風原さんは深く考えている。
「あの、風原さん……?」
今夜の風原さんは、どうしてしまったのか。
私なんかが心配しなくても、彼ならどんなことでもスマートに解決できると思うけど、
いつもと明らかに違うから、少しだけ心配になってきた。
涼しげな瞳が狭まり、ジッと私を見ていた。
数秒して彼は、驚くことを口にした。
「個人指導は、しばらく中止だ。
やるべきことはメールで指示するから、自主練習にしてくれ。
俺の家に来ることも、当分やめて欲しい。
朝の送りも駄目だな。局にタクシーチケットを申請して、明日からお前はタクシーで出勤しろ」
「え……」
言われている意味が、よくわからなかった。
合鍵をもらったのに、この家に入ってはいけないなんて。
一緒の食事も、個人レッスンもなくなるの?
風原さんの車の後部席に隠れての出勤も、なしって……。
どうしてそんなことを言うのかわからず、混乱した。
私に飽きたとか……?
まだ完全な恋人でもないのに、私はもう早、捨てられたの……?