俺様御曹司の悩殺プロポーズ
ワイシャツのボタンを二つ目まで開けた襟元から、爽やかな香水の香りがした。
背中と後頭部に回される手にに力がこもり、苦しいほどに抱きしめられている。
フラれたはずなのに、どうしてこんな状況になっているのかわからず、私は困惑するばかり。
別れの前に、最後の思い出を残してくれるとか?
そんなの余計に悲しくなるだけなのに……。
抱きしめられていることに驚いてから、困っていた。
勝手にドキドキ速度を上げてしまう、自分の心臓にも困ってしまう。
風原さんのいい声を耳元に聞いた。
「何を勘違いしている?
俺にはお前がいるのだから、佐川と付き合うわけがないだろ」
「え⁉︎ だったら、なんで……」
私を想ってくれるのなら、なぜ距離を置く必要があるのか。
ますますわからなくなる私を、風原さんはヒョイと持ち上げ、膝の上に座らせた。
彼の太ももを跨いで、向かい合わせに座る形となり、思わず頰が赤くなる。
この恰好……股を開いているから、スカートの中がスースーして、とっても恥ずかしいんですけど……。
色々な意味で動悸がおさまらない私の髪をひと撫でし、風原さんは距離を置こうとしている理由を話し出す。
「お前に落ち度はない。全て、図り間違えた俺が悪い。
ごまかすつもりが、疑いは別の方向に強く向かってしまったーー」
それはこんな内容だった。