俺様御曹司の悩殺プロポーズ



そんな戸惑う私の様子が見えているかのように、また彼からメールが届いた。



【うるさい奴らの姿は三日前から見ていない。もう諦めたんだろう。一泊旅行から解禁だ。元の距離に戻ろう。

お前を泣かせたことは、結構こたえた。それに、俺もそろそろ我慢の限界だ。わかったな?実家に帰るなよ?】



三通目のメールを何度も読み直し、ハートマーク付きで【わかりました!】と答えた。

返信したあとは、「えへへへっ」と忍笑いが口から漏れる。


「お客さん……?」


私の笑い声が不気味に聞こえたのか、それまで寡黙だった運転手さんが話しかけてきた。


「なんでもないです。面白い動画を見ていたので……」


そんな風にごまかして、もう一度メールを読み返した。


これは“泣き得”というものだろうか?

泣いたお陰で、接触禁止の状態からやっと元に戻れることになった。

それに加えて、一泊旅行まで!


俺の我慢も限界だなんて……離れていたことで、風原さんの想いも強くなったのかな?


「でへっ!」


恋が進展しそうな予感に、顔が緩むのを隠せない。

胸にスマホを抱きしめ、自宅マンションに着くまでずっと、ニマニマしていた。



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