俺様御曹司の悩殺プロポーズ



『忘年会が終われば、次は大晦日。年末年始の予定は決まっていますか?

海外で過ごす人や実家に帰省する人、様々かと思いますがーー』



それについては「私は田舎に帰ります」と無言で答えていたら、スマホがメールの着信を告げた。


それはさっき別れたばかりの風原さんからで、
【言い忘れたが、正月は帰るなよ】という文面だった。


なぬ?と眉をひそめる。


まだ訛りがどうこう言うのだろうか。

もう訛りがあると指摘されなくなっているし、気をつけるから、お正月くらいは帰ってもいいじゃない。


どうせ風原さんは、構ってくれないのだろうし……。


反論の返信をしようとしていると、それを遮るように二通目のメールがきた。



【一日の夕方から二日の昼まで、スケジュールが空いているから、一泊で温泉に連れて行ってやる。

政財界の大物達も御用達の隠れ家的宿で、他の客と顔を合わせることはない。秘密は厳守してくれる】



そのメールに「え……」と呟いてしまった。


一泊で温泉なんてすっごく嬉しいけど、それよりも戸惑いの方が大きい。



佐川さんとの熱愛の噂で、風原さんの周囲にはまだスクープを狙う雑誌記者達が張り付いているはず。


私達が距離を置かなければならないのもそのせいなのに、旅行なんて危険なことをどうして言い出すのか。


風原さん……もしかして結構酔ってるとか?

普段は慎重すぎるほどの人なのに、どうしちゃったの?


< 337 / 452 >

この作品をシェア

pagetop