俺様御曹司の悩殺プロポーズ
これは……全くわからない。
降参した私に風原さんはニヤリと笑って、「どじょうだ」と教えてくれた。
次の漢字は【鰈】かれいで、その次は【鰊】にしん。
8問目は【鰆】さわらで、9問目は【鯏】あさり。
どれも読めずに、5問続けて不正解となってしまった。
風原さんは、私に勝たせないようにしているみたい……。
難易度が上がる問題に焦る私を見て、彼はニヤニヤして楽しそうだ。
どうしよう。
最後の1問になってしまった……。
罰ゲームについて気になり出した私に、容赦なく「10問目」の声が浴びせられた。
見せられた漢字は【鮠】
なにこれ?
危ない魚って、どんな魚?
私の頭に浮かんできたイメージは、どう猛な魚ではなく、別の意味で危険な魚。
見た目が熱帯魚みたいで綺麗なのに、近寄ると毒を出して相手を動けなくして、それから食べちゃうような。
それって、なんだか風原さんみたい。
表の彼は誠実そうな爽やか好青年なのに、実際は性格に一癖あって、
近寄りすぎると素敵ボイスのフェロモン攻撃で、腰砕けにされてしまう……。
そんなことを考えている内に、制限時間が過ぎて「ブブー」と言われてしまった。
「参りました……」
「これは、“はや”と読む」
「はや? そんな魚、見たことも食べたこともありませんよ。
私の知ってる魚にして欲しかったです」
風原さんは声を上げて笑ってから、
「罰ゲーム確定な」
と、楽しそうな顔して言った。