俺様御曹司の悩殺プロポーズ
白い封筒は開けられず、そのまま郵便物の上に戻されてしまった。
お鍋をつつきながら、ゆっくり話ができる幸せな時間。
彼の周りにスクープを狙うマスコミの影が消えて、やっと平和な日常が帰ってきた。
「ロケはどうだった?」と聞かれて、報告する。
今日のロケ先はチョコレート専門店。
そこで冬のお勧め、ホットチョコレートドリンクをリポートしようとして……
思ったより熱くて舌を少し火傷するという、ヘマをやらかした。
実はまだ、舌先がヒリヒリしている。
そう話すと、「見せてみろ」と言われた。
舌先をチラリと覗かせる私。
すると風原さんはなぜか目を見開き、その手からは箸が滑り落ちてテーブル上に転がった。
「え……?」
何でそんな反応なの?
ちょっとヒリヒリするだけで自分では大丈夫だと思っていたのに、え?
私の舌先、どうかなっちゃってるの⁉︎
舌を引っ込めて片手で口を覆い、私はオロオロしていた。
「引っ込めるな! 舌を出したままにしてろ!
小春……まずいぞ、それは……」
風原さんは席を立ち、深刻そうな顔して私の横に立つ。
「変ですか?
どんな風になっているんですか⁉︎」
「喋るな。いいから、舌を出せ。
もっとだ。もっと思いっきり……」