俺様御曹司の悩殺プロポーズ
物凄くなにかが起こっているような顔をしてこっちを見てくる風原さんは、私の顎先をつまんで顔を上に向かせた。
私は自分の舌先の異変に怯えて、半ベソ状態。
すると……。
風原さんが急に顔を近づけてきて、私の舌をパクリと口に含んでしまった。
「んんっ⁉︎」
舌を吸い込まれるように舐められてから、今度は押し返すように彼の舌が私の口内に侵入してくる。
我が物顔でひと暴れした後に、チュッとリップ音を立てて離れていった。
「酷い火傷を負っていたから、治療しておいた。
これでもう大丈夫。良かったな」
わざと表向きの爽やかスマイルを浮かべてそう言った彼に、私の顔は真っ赤になる。
良かったな……じゃないでしょ!
いや、キスは確かに良かったんだけど、本気で舌がどうにかなっているのかと不安になったし、騙すなんてヒドイよ‼︎
「風ー原ーさーん?」
「あはは!」と楽しそうに笑って自分の席に戻ろうとしている意地悪男の背中に、立ち上がった私はドスンと体当たりを食らわした。
「おわっ!」と叫んでバランスを崩す彼。
テーブルの端に片手を付いて衝撃に耐えると、新聞や郵便物が落ちて床に散らばった。