俺様御曹司の悩殺プロポーズ



風原さんが黙り込んだ。

5秒ほど緊張感漂う静かな間が開いて、それから彼はいつもより低い声で言った。



「おとなしく言うことを聞いて家に帰ってくるか、

それともネタを週刊誌に売られて、桜テレビとお前を巻き込んだスキャンダルになり、仕事を辞めざるを得なくなるか、

どちらかを選べと言われた」


「そんなっ……」



スキャンダルで辞職に追い込まれるかどうかは私にはわからないけど、可能性は考えられる。


少なくとも風原さんのお父さんは、ネタをリークすれば彼が仕事を辞めることになるだろうと思っているみたい。


どっちに転んでもアナウンサーを辞めなきゃならないなんて……そんなの酷すぎる!



私のイメージも悪くなるだろうけど、そんなのはどうでもよかった。


自分の進退よりも、風原さんのアナウンサー生命が心配でたまらない。


この仕事が天職だとキッパリ言った風原さんには、ずっと人気アナウンサーでいてもらいたいのに!


「どうしよう!」と慌てる私をなだめるように、彼は静かな声色で話す。



「大丈夫だ。 俺をマスコミに売ることは、向こうにもリスクがある。

俺も一応あの家の人間だから、風原というブランドに傷をつけることになる。

だから、これはただの脅し……だといいのだが……」



< 386 / 452 >

この作品をシェア

pagetop