俺様御曹司の悩殺プロポーズ



スタジオの分厚い扉の前で私を待っていたADの若い男性スタッフさんが、中に入れてくれた。


スタジオ内に足を踏み入れて、すぐに異変に気付く。


セットの中央に風原さんが一人で立っていて、眩しいライトを浴びていた。


佐川さんや他の出演者たちは、カメラに収まらない位置に下がっているのだ。


しかもいつもならこの時間はオンエア中なのに、なぜかCM中になっていて……。



あれ? どういうこと?

戸惑いながらセットに歩み寄る私を見つけて、佐川さんが足早に近づいてきた。



「CM開け10秒前!」

やけに緊張感を孕んだスタッフさんの声が、静かなスタジオに響いていた。



「あの、これは一体どういうことなのでしょう?」


セットの手前で足を止め、隣に来てくれた佐川さんに尋ねると、彼女はそれには答えずにこう言った。



「昨夜風原さんから、週刊ウェンズデイの件を聞いたわ。

あなた達は馬鹿よ。付き合うならもっと上手くやらないと。

あの最悪な記事を信じる人の数次第では、風原さんもあなたも終わりになるわ。

モーニング・ウインドも打ち切りで、桜テレビのイメージダウンも免れない。

各番組の視聴率が下がればスポンサー不足で、大赤字よ。ことの重大さをわかってるの?」



「はい……。
本当に申し訳ありませんでした……」



< 406 / 452 >

この作品をシェア

pagetop