俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「ううっ……風原さん……」
また泣いてしまった私を、彼は床に膝をつきながら抱き寄せてくれる。
耳元には色気を含んだ小声が響いた。
「泣かれるより鳴かれた方が、男としては嬉しいけどな」
「え?」
「これでやっと禁欲生活から解放される。
父親にも週刊ウェンズデイにも腹がたったが、小春を予定よりも早く手に入れられたことを思えば、結果として悪くないかもな。
今まで我慢し続けた分、今夜はたっぷり可愛がってやる。
俺の声と体で、お前が何度意識を飛ばすか……楽しみだな」
表向きの彼から爽やかで誠実なプロポーズをもらった後は、裏の顔をした彼から赤面物の愛の言葉をもらってしまった。
彼の腕の中で照れたり恥ずかしがったり喜んだりしていると、ふと周囲がやけに静かなことに気付いた。
それまで後片付けをするスタッフさん達の声や物音で、スタジオ全体がざわざわしていたはずなのに……。
風原さんの胸から、顔を少し離して驚いた。
彼のスーツの襟元には、まだピンマイクが付いていた。
「風原さん……。そのマイク……まさかスイッチが入ったままじゃないですよね?」
そう言うと、風原さんが固まった。
「まずい……」