俺様御曹司の悩殺プロポーズ
正面にしゃがみ込んで、私のマヌケ面を見てニヤリと笑っている。
疑問符だらけの頭で、恐る恐る聞いてみた。
「あの……さっきのはお芝居だったのですか?」
そう言うと、彼の眉間にシワが寄った。
「あ``?」と不機嫌そうな声を出されて、私は慌てた。
「そ、そうですよね! あの記事の効果を打ち消すためだって、チーフプロデューサーと言ってましたもんね!
も〜先に言って下さいよ。本気にしちゃったじゃないですか〜。
風原さんと付き合えるだけでも幸せなのに、奥さんになんて、欲が出ちゃって……。
私って本当にマヌケで笑っちゃいますよね、あはははは……」
お芝居のプロポーズを真に受ける私って、本当にマヌケだ。
「あはは」と笑ってごまかしてみたけれど、風原さんの顔は不機嫌なまま。
怒っているともとれる、怖い顔をして睨んできた。
「勝手に芝居にするな」
低い声でそう言われた後は、左の手首を掴まれる。
顔の前に持ち上げられた左手。
彼は私の目の前でポケットから何かを取り出し、それを薬指にくぐらせた。
それを見て、私の手は再び震えだした。
だって、大粒のダイヤのエンゲージリングが、サイズもピッタリで私の左手薬指に輝いているから……。