俺様御曹司の悩殺プロポーズ



正面にしゃがみ込んで、私のマヌケ面を見てニヤリと笑っている。


疑問符だらけの頭で、恐る恐る聞いてみた。


「あの……さっきのはお芝居だったのですか?」


そう言うと、彼の眉間にシワが寄った。


「あ``?」と不機嫌そうな声を出されて、私は慌てた。


「そ、そうですよね! あの記事の効果を打ち消すためだって、チーフプロデューサーと言ってましたもんね!

も〜先に言って下さいよ。本気にしちゃったじゃないですか〜。

風原さんと付き合えるだけでも幸せなのに、奥さんになんて、欲が出ちゃって……。

私って本当にマヌケで笑っちゃいますよね、あはははは……」



お芝居のプロポーズを真に受ける私って、本当にマヌケだ。


「あはは」と笑ってごまかしてみたけれど、風原さんの顔は不機嫌なまま。

怒っているともとれる、怖い顔をして睨んできた。


「勝手に芝居にするな」


低い声でそう言われた後は、左の手首を掴まれる。


顔の前に持ち上げられた左手。

彼は私の目の前でポケットから何かを取り出し、それを薬指にくぐらせた。


それを見て、私の手は再び震えだした。


だって、大粒のダイヤのエンゲージリングが、サイズもピッタリで私の左手薬指に輝いているから……。


< 414 / 452 >

この作品をシェア

pagetop