俺様御曹司の悩殺プロポーズ



【プロポーズは勝手にやれよ。公共の電波を使ってするな】

【裏切られた気分。もうモーニング・ウインドは絶対に見ない】

そんな厳しい反応や、

【本当はタラシなんでしょ?雑誌に書いてた。風原は女の敵。ごまかせると思うな】

こういった週刊ウェンズデイの記事の方を信じてしまう、悲しい書き込みも……。


それでも番組の放送を見てくれた人たちが、ネットのあちこちで『感動した!』『良かった!おめでとう!』と味方してくれたおかげで、世論全体がお祝いムードに流れた。


結果として、風原さんのお父さんの思惑通りにはならなかったということだ。



本当に視聴者さまさまで、人の心を右にも左にも動かすことのできるアナウンスの力を思い知った。


私ももっともっとアナウンス力を磨かなければならない。


テレビを見てくれる人々に正確な情報を提供し、正しく判断してもらえるようなアナウンス技術を。



いつか風原さんに追いついて、追い越したい……。

それが誰にも言っていない、密かな私の目標になっている。



「さあ、できたわよ」

花ちゃんがヘアメイクを終わらせて、ケープを外してくれた。



「あら〜いいじゃない。可愛い花嫁さんだわ〜。
孫にも衣装! さすがあたしのヘアメイク力!」



椅子から立ち上がって自分の姿を大きな鏡に映し、「わぁっ」と感嘆の声を上げた。


Aラインの純白のウェディングドレスは、裾の後ろが少し長くなっている。

レースとフリルがふんだんにあしらわれ、可愛らしさと高級感が共存している。

シルク生地の光沢は目に眩しいくらい。


メイクも髪型もいつもより華やかで、ベールを被った私は自分史上一番美しいのは間違いない。


< 419 / 452 >

この作品をシェア

pagetop