俺様御曹司の悩殺プロポーズ
嬉しくなって横を向いたり前を向いたり、後ろ姿を映したり、鏡の前で自分の姿を眺めていると、コンコンと扉がノックされた。
「あのー、お支度はお済みでしょうか?」
ドアの向こう側から、花嫁のお世話係の女性の声がした。
「はい、終わってます……」と言いかけたら、バタンと勢いよくドアが開けられた。
係の女性より先に入ってきたのは、風原さん。
「遅いぞ。予定を2分もオーバーしている。これが番組なら放送事故に……」
そのあと彼は言葉を飲んだ。
私を見て目を見開き、コクリと喉を鳴らしている。
私も固まっていた。
ほっぺに両手をあてて、なんて素敵なのだろうと風原さんの姿に見惚れている。
今日の彼はカッコイイだけじゃなくて、美しい……。
グレーのロングタキシード姿の彼は、どこかの国の王子様みたいだった。
高身長で長い手足にモデル体型の彼がタキシードを着てしまうと、フェロモン倍増。
耳元で囁かれなくても、見ているだけでハウンとなってしまいそう……。