俺様御曹司の悩殺プロポーズ
お互いを見つめ合ったまま言葉をなくしていると、花ちゃんが突然奇声を上げた。
「キィィーッ! 悔しいわ。やっぱりこんなのおかしいわ!
ねぇ涼ちゃん、今からでも遅くないわよ。花嫁をあたしにチェンジしない?
ダメ女子アナの小春ちゃんなんかより、あたしの方がよっぽどまともなオネェよ?
だめ? ダメなの? どうしてよ!
どうして涼ちゃんのお嫁さんが、小春ちゃんなのよぉぉぉーっ‼︎」
風原さんが私のウエストに腕を回し、「行くぞ」とエスコートしてくれる。
ステンドグラスの美しい大聖堂には、たくさんの列席者が私たちを待ってくれていることだろう。
これから私、日野小春は、風原涼さんと結婚式を挙げます。
北海道の方田舎で生まれ育ち、地方局でのんびりゆる〜く女子アナをしていた私が、
人気No.1アナウンサーの彼のお嫁さんになるなんて、信じられる?
私って……なまら、すごいっしょ!
【 完 】