俺様御曹司の悩殺プロポーズ
爽やかさ100%の挨拶をした彼は、スタッフ一同に流した視線を、なぜか私で止めた。
嫌な予感に、私の肩がピクリと震える。
表情は表向きの彼のまま、風原涼は私に向けてこう言った。
「日野小春さん、どうしましたか?
浮かない顔……と言うより、私を睨んでいるようにも見えますが。
北海道放送局から、今日付けでの移動でしたね。
不安だと思いますが、大丈夫ですよ。
みんなで君をサポートするから、どうか笑顔で。
朝の番組に、日野さんの爽やかな笑顔をお願いします」
爽やかに笑えだと……?
できるか、コノヤロー!
と、心で叫びながら、無理して笑顔を作った。
文句を言いたい気持ちを、グッと押し止める。
彼が上で、私が下。
子供じゃないから、おとなしく従うしかないのだとわかっている。
会議室にいるスタッフや出演者の視線が、私に集まっていた。
ヒソヒソ、クスクス、私に対して否定的な反応が伝わってくる。
風原涼は表向きの顔を崩さぬまま、もう一度私に微笑みかけてから着席し、
代わりに佐川亜梨沙が立ち上がった。