俺様御曹司の悩殺プロポーズ
《官僚一家の次男が、なんでアナウンサーやってんだろ?》
《それは一族の策略。奴らの家系に、官僚はいても政治家はいない。
次男のこいつはまずアナで顔売って、いずれ政治家に。元アナなら、選挙で勝てそうだから》
《ありそう。アナから国会議員で、いずれ外務大臣。
風原一族は政官押さえて、日本の外交権力を手中に収める気だ》
《桜テレビは何で、いわくつきの風原涼を採用した?》
《親父の力じゃないか?
金か人脈か分からんが、何かしらの圧力があったとみる。
コネ入社、間違いなしだな》
まだまだ、たくさんの悪口が書き込まれていたけど、それ以上読めなかった。
何これ……。
悪意をヒシヒシと感じて、肌が粟立ってしまう。
書き込みに衝撃を受けた後は、怒りがフツフツと沸いて来た。
確たる根拠なんてないけれど、
風原さんはここに書かれているような理由で、アナウンサーをやっているわけじゃない気がする。
裏の顔は私をからかって遊ぶ性悪男でも、
ニュースを読む彼の姿には、この職業に対する真摯な情熱を感じる。
声は文句なく魅力的だけど、声だけじゃなく、言葉や文章が綺麗で耳に気持ち良いのだ。