俺様御曹司の悩殺プロポーズ
言葉の選び方、スピードや間の取り方、息継ぎのタイミング、
それらはアナウンサーの基本技術であるけれど、風原さんのように完璧な物にするのは、かなり難しい。
それらの技術に加えて、
彼がどこを重点的に伝えようとしているのかが、ニュースを聞いてすぐに伝わってくるというのも、凄いところ。
きっと原稿の読み込みは熱心に、日々勉強と努力を惜しまない人なのだと感じる。
風原さんのアナウンスが耳に気持ち良いのは、彼の努力の賜物。
性悪でも、風原さんのアナウンサーの部分に、私はやっぱり憧れる。
そんな彼が、この職業に誇りを持っていないはずない……と思いたかった。
「こんなの、違うのに……」
独り言を呟いて、花ちゃんにスマホを返した後は、ムスッとして黙り込んでいた。
花ちゃんは私のアイメイクをしながら、クスリと笑う。
「あんた、いい子ね。気に入ったわ。
大丈夫よ。今は涼ちゃんを悪く言うヤツは少ないと思うの。
いいイメージが付くように、これまで涼ちゃんが必死に頑張ってきたから」
「コネ入社なんて……嘘ですよね?」