俺様御曹司の悩殺プロポーズ
「そうよー。コネどころか、親はテレビ局に入社させないよう、圧力かけてきたんだって。
涼ちゃんはアナウンサーになりたくて、勘当されたも同然に家を飛び出したのよ?
涼ちゃん、ああ見えて、結構苦労人なのよ。
そんな所も、あたしの胸きゅんポイント!
さ、できたわよ。
少し濃いめにアイライン引いて、アホっぽい下がり眉を真っすぐに直しといたわ。
これで、少しは賢く見えるわよ」
花ちゃんはかなり変わった人だと思うけど、ヘアメイクの腕は確かだった。
ハーフアップの髪は、一見ふんわりさせつつ、実際はカッチリ固めてくれている。
外から中継する私の仕事を、きちんと理解した上でのことだろう。
メイクはメリハリのついた顔にしてくれて、確かに実際より賢く見えた。
「花ちゃん、ありがとうございます!」
お礼の言葉はヘアメイクだけじゃなく、風原さんについて教えてくれたことも。
メイク室を飛び出し、彼のいる報道フロアへと急ぐ。
風原さんのアナウンサーとしての技術は、苦労の中で身につけた物だとわかった。
彼のような苦労を知らない、ぬるま湯育ちの私だけど、少しでも近付きたいと思う。
私は私なりに、頑張ろうと気合いが入った。